「難民」と聞くと、ウクライナやアフガニスタンのことを思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、実はアフリカ中部に、世界から忘れ去られている深刻な難民危機があるのです。
タンザニア国境沿いのタンガニーカ湖に押し寄せたブルンジ難民。数日後、難民キャンプへ移送されたが、過密状態となったためコレラが発生するなど劣悪な環境となった
コンゴ民主共和国では1996年に紛争が始まってすでに約30年。周辺国と武装勢力が複雑に関与し、今も武力衝突は激化の一途を辿っています。2026年1月現在、647万4800人以上が国内避難民となっていますが、そのほとんどが情勢悪化の一途をたどるコンゴ東部からの避難者です。
ブルンジ共和国は、80%以上の人が貧困ライン※以下の生活をしている最貧国の一つです。2015年に政情不安が高まり、政府による市民への激しい弾圧と暴力が拡大。2026年2月現在、25万3100人以上が難民となり、国外での避難生活を強いられている他、隣国コンゴからの難民も多く受け入れています。 ※1日当たり1.9ドル未満で生活する人々の層
2025年、コンゴ民主共和国で暴力行為が激化
2025年1月、コンゴ民主共和国東部で非政府武装グループとコンゴ軍との衝突が激化。国際人道法に反する攻撃が実施され、多くの民間人や民間インフラ、そして国内避難民サイトにも爆撃が及び、子どもを含む多くの人々が犠牲となっています。2025年6月末にコンゴ民主共和国とルワンダ政府の間で締結された和平合意にもかかわらず戦闘は終息せず、民間人への攻撃、恣意的な逮捕、強制徴兵、性暴力が続いています。
2025年12月にも戦闘が激化し、推定50万人が国内避難民となった他、8万5000人以上がブルンジへ流入。ブルンジ国内のコンゴ難民・庇護希望者の数は20万人以上に達しています。また、コレラにより状況はさらに悪化しており、2025年12月14~21日の間に400件以上の発生が報告されました。
UNHCRは他国連機関と共に、民間人や民間インフラを標的にせず、窮地に陥る人々に援助が届くよう働きかけ、コンゴ国内外で避難を強いられる人々への救援活動を実施しています。
エムポックス(MPOX)の発生につきまして
2024年8月、世界保健機関(WHO)は、アフリカにて感染症エムポックス(MPOX)が発生したことを発表しました。十数か国で感染者が確認されていますが、その多くはコンゴ民主共和国で確認されています。2024年9月15日時点で2万9000人以上の感染者が報告されました。
難民・国内避難民の感染も確認されており、UNHCRは避難キャンプ等での救援活動を実施しています。しかし、混雑した学校や教会、テントで暮らす家族からは、病気の症状が出ても隔離する場所がない、といった悲痛な訴えもあります。
UNHCRはパートナー団体や地元の保健当局、WHO等と連携し、難民キャンプといった公共スペースでの手洗いの強化やこの感染症に関する情報共有の徹底化といった衛生/保健対策、スクリーニングを含む感染予防対策等、救援活動を実施、感染の拡大を阻止するため、尽力しています。
どうぞ知ってください。
暴力と迫害で避難を強いられる人々のことを。
「今日も誰かが殺されています」
両国に共通するのは、民間人への無差別な拷問や殺戮、ジェンダーに基づく暴力(GBV:Gender Based Violence)などの残忍な行為が行われ、幼い子どもを含む普通の市民が癒しがたい傷を負っていることです。しかしこの難民危機に対し国際社会の関心は薄く、支援が集まっていません。UNHCRは懸命に援助活動にあたっていますが、アフリカの危機は世界で報道されることは少なく、深刻な資金不足により活動は制限され、必要な支援の多くを断念せざるを得ない状況です。
「夫は行方不明、赤ん坊だった娘は病気で亡くなりました」
(ノエラさん/45歳 コンゴ難民)
「今から十数年以上前に夫は武装勢力に連れ去られ行方不明になりました。当時妊娠中だった私はコンゴから急いで避難し、タンザニアで保護されました。その後長女は病気で亡くなりました。今は3人の子を抱え、UNHCRの支援に頼るほかありません。“お金がない時には食事をしない”という生活です。毎日どうやって家族を食べさせようか、そればかり考えています。」
コンゴやブルンジのみならず、多くの国の難民危機において、故郷を追われる人々の中の女性・子どもの割合は大きく、ジェンダーに基づく暴力(Gender-based Violence)、シングルマザー家庭の貧困といった問題も深刻化しています。
「お父さんもお母さんも、生きているのか分からないままです」
(アレックスさん/17歳 ブルンジ難民)
「僕は今、兄一家と難民キャンプで暮らしています。ブルンジからタンザニアまで歩いて逃げてきました。両親は高齢で歩けず、バスの費用もなかったので僕だけ先に避難させたのです。今も連絡が取れず、生きているかどうかも分かりません。姉ともう一人の兄も行方不明のままです。今必要なものですか? 服、靴、ペン、教科書、マットレス…僕は何も持たずに逃げてきたのです。」
世界の難民の約半数は子どもです。故郷を追われた子どもたちは生活のために働いたり、児童婚を強いられたりする危険にさらされ、教育機会のみならず、大切な子ども時代を失ってしまう恐れがあります。
活動資金が大幅に不足しています
この地域の人道危機に対する活動資金は恒常的に不足しているため、現地ではまず人命救助のために必要な最低限の活動に資金が当てられています。
しかし、教育や難民の心のケアなどの活動を行うことは難しく、危機的な状況です。
「あなたは見捨てられていません」今こそ、伝えるときです
どうか、忘れないでほしいのです。この瞬間にも、コンゴやブルンジで、多くの人々が暴力によって家を追われていることを。劣悪な環境に置かれながら、助けを求める術もない人々がいることを。そして、あなたの力を今まさに必要としていることを。
「あなたの支援は、難民の人生を変え、希望を灯します。あなたには、誰かの人生を変える力があるのです」
リディヤ・ヤキシンバ職員(UNHCRタンザニア・カスル事務所)
彼らをさらに追いつめているのは、国際社会の無関心です。UNHCRは今、世界から忘れられ孤立を深めている難民への支援を呼びかけます。「あなたは見捨てられていません」。今こそ、UNHCRと一緒にそのメッセージを伝えてください。
UNHCRの援助活動
UNHCRはこの地域で避難を強いられる人々を保護するため、以下のような援助活動を続行しています。
・厳しい難民キャンプでの生活に不可欠な物資の供給(水、毛布、衛生用品、調理器具など)
・難民キャンプの設備の整備や改修、運営(トイレ、給水設備、教室など)
・難民の子どもたちへの初等教育の機会や教科書、文房具などの提供
・性的暴力の被害者など、心に傷を持つ人へのカウンセリングなど精神的サポート
あなたのご支援でできること
※1ドル=149円換算
- 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
- ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
- Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております。
※皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。
※支援を行う国・地域や情勢により物価は変動するため、上記の金額は目安です。