2022年末時点で故郷を追われた人の数は約1億840万人。74人に1人が紛争や迫害、そして暴力等により、避難を余儀なくされたことになります。また、故郷を追われた難民の約41%が18歳未満の子どもです。
(* Global Trends 2022より)
UNHCRの支援対象者は約1億1260万人*となり、過去最高だった前年をさらに更新。ウクライナでの戦争のぼっ発、シリアや南スーダン、ベネズエラ等の長期化する紛争や迫害、そしてミャンマーでの情勢悪化によってさらに多くの難民・国内避難民等が故郷を追われています。
(* Global Report 2022より)
避難の旅を強いられる人々が増え続ける中、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「これらの数字から見えるのは、紛争が始まるのは一瞬ですが、その解決策を見つけるには非常に時間がかかる、ということです。その結果が破壊であり、強制移動であり、数千万人の故郷を追われた一人ひとりの苦悩なのです」と訴えます。
そして、2023年10月、避難を強いられる人の数は1億1400万人に達しました
2023年4月にぼっ発したスーダンでの武力衝突、ソマリア、コンゴ民主共和国等での暴力の激化等により、避難を強いられる人はさらに増加。その数は2023年10月時点で推定1億1400万人に達しました*。UNHCRは2023年、43の緊急事態に対応。緊急事態が世界各国でぼっ発する中、UNHCRの支援が世界各地でかつてないほど必要とされています。
(* 2023年10月25日UNHCR本部プレスリリースより)
こうしている今も、多くの人々が家を追われています。そして紛争や迫害のみならず、気候変動による自然災害や食料難も避難の大きな要因となっています。厳しい情勢が今現在も進行する中、一人でも多くの命を安全に保護するため、UNHCRは現地で支援活動を続けています。
難民支援の今 ― 世界で何が起きているのか?
UNHCR Global Report 2022より
アフリカ:支援対象者3887万16人
気候変動が引き起こす干ばつと洪水、そして強制避難
アフリカ各地で続いている危機は沈静化せず、避難を強いられている人の数は2022年も増加しています。エチオピア、ソマリア等の“アフリカの角”と呼ばれる地域では厳しい干ばつが収まることはなく、今も300万人以上が支援を必要としています。気候変動の脅威はアフリカ中部やサヘル地域にも及んでおり、カメルーン、ニジェール、ナイジェリア等でも豪雨と洪水により多くの人々が避難を強いられました。また、コンゴ民主共和国やモザンビークでは、治安悪化が引き金となり、人道危機となっています。
この地域における危機は世界から注目が集まらず、深刻な資金不足が続いていますが、UNHCRはパートナー団体と協力し、暴力から逃れて来た人々を保護し、緊急支援を提供するのみならず、サイクロンの被害に遭ったモザンビークでの森林再生活動、民間企業等と連携したソーラーエネルギーへの投資、教育やコミュニケーションの促進等を展開しています。
アメリカ(中南米):支援対象者2145万4248人
南米最大の危機が続くベネズエラ、そして中米の情勢不安
迫害や暴力行為、人権侵害、新型コロナウイルス感染症の経済的打撃、ウクライナ情勢の世界経済への影響、加えて厳しい気候変動による洪水等の自然災害が相まって、2022年もこの地域では多くの人々が避難を強いられました。
そして、政情不安と食料難に苦しむ南米ベネズエラから避難した人の数は700万人を突破。中米エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアでは100万人以上が暴力や人権侵害により故郷を追われました。また、2022年、南北アメリカ大陸をつなぐダリエン地峡のジャングルを越え、危険な旅を強行する人々の数も増加しています。
UNHCRは、保護に配慮した入国システムの強化、庇護へのアクセスの確保、法的支援や現金給付を実施しています。
アジア・太平洋:支援対象者1430万4600人
忘れられた危機となりつつあるアフガニスタン、ミャンマー
2021年8月の政権移行以来、政情不安や貧困、そして食料難が悪化するアフガニスタンでは、2022年6月に南東部で大規模な地震が発生。また、多くのアフガン難民が受け入れられているパキスタンでも9月に大規模な洪水が発生し、多くの人々が危機的な状況に追い込まれています。また、ミャンマーでも2021年2月以降の情勢悪化と混乱は今も続いており、激しい空爆や戦闘、地雷に関する事件が発生している等、事態の改善は見られません。
情勢不安が続くこの2か国での援助活動は困難を極めますが、UNHCRは“現地にとどまり、援助を届ける”というポリシーの下、救援/保護活動を継続し、シェルターや救援物資の提供を実施しています。
また、バングラデシュでもロヒンギャ難民への支援も継続。25万人を対象に、ミャンマーのカリキュラムに則った教育へのアクセスを拡大させています。中央アジアでは、無国籍問題を解消するため、カザフスタンやウズベキスタン等で国籍を取得するための援助を実施しています。
ヨーロッパ:支援対象者2183万3415人
ウクライナの戦争ぼっ発、そして今も続く地中海危機
2022年2月、ウクライナでの緊急事態を受け、UNHCRはウクライナと近隣諸国での援助活動を大幅に拡大。ウクライナ国内では、約100万人を対象とした現金給付支援を含む、国内避難民430万人に保護と支援を提供しました。また、UNHCRはこの国の厳しい冬を戦火の中で迎えるにあたり、受け入れ施設の改善、家屋の修理、救援物資の提供といった防寒支援を約150万人に提供しました。
日本では報道されることが少なくなった地中海危機は今も続いており、地中海とアフリカ北西部の海上ルートでは29%増の15万9400人の難民・移民が到着。ギリシャでは約2倍の1万8800人、キプロスでは37%増の4000人、イタリアでは55%増の10万4500人に達しました。UNHCRは、女性性器切除に反対するマルタでの啓発活動、フランスでのLGBTIQ+難民のための社会統合、ジョージアでの言語訓練等、難民主導の組織を通して保護等の活動を活性化させています。
中東・北アフリカ:支援対象者1610万5087人
長期化するシリア、イエメンの危機
この地域における政治/経済不安は続き、食料と燃料の価格上昇により多くの難民・国内避難民等が、より厳しい避難生活を強いられています。特に、経済危機が続くレバノンでは、シリア難民の90%近くが極度の貧困状態にあり、生き延びるための援助が不可欠です。加えて、2023年2月のトルコ・シリア大地震は、攻撃で破壊された安全性の低い建物等で生活していたシリアの人々を更なる窮地に追い込んでいます。また、イエメンでは、人口の78%が貧困ライン以下で生活し、アルジェリアではサラウィ難民の食費の高騰により、栄養失調の危険性が高まっています。
UNHCRは地域全体で受け入れコミュニティの体制を強化し、保護、難民登録、現金給付といった問い合わせ180万件に対応しました。加えて、この地域で避難する人々や無国籍者のうち、約220万人が学齢期を迎えました。UNHCRは、受け入れ国の教育システムを強化、イラク、ヨルダン、レバノン、トルコでは13万人の子どもたちが専門的なサービスを受け、さらに約10万人の子どもたちが保護され、心理社会的支援プログラムに参加しました。
UNHCRは難民支援の最前線で援助活動を続けています
2022年にUNHCRが供給した主な緊急支援物資
- 家庭用テント:5万133張
- 毛布:333万7718枚
- 給水容器:98万5106個
- 蚊帳:159万1680張
- ビニールシート:165万4819枚
- バケツ:67万6317個
- ソーラーランプ:72万3827個
- 調理器具セット:84万3244家族分
- 就寝用マット:122万1415枚
* 日本を含む全世界からの寄付金による支援の一例です
紛争や迫害等の緊急時において、UNHCRは逃れてきた人々の命を守るための援助活動を行い、テント、毛布、水、食料、医薬品、生活用品等の援助物資を提供。また、十数年に及ぶこともある避難生活の間、学校に行けなくなってしまった子どもたちのための教育支援、家族を失い社会的・経済的弱者となった女性、故郷に戻れず生計を立てられなくなった人々のための女性支援・自立支援を実施しています。
世界各国より届いた、民間の皆様からのご寄付
皆様からのご支援が、難民の未来を支える大きな力となっています
2022年、民間の皆様から賜ったご寄付総額は12億4600万米ドル
たくさんの皆様からのご支援に厚く御礼申し上げます
難民の命と尊厳を守るため、すべての人たちが安心して暮らせる日まで
難民とは、紛争や迫害、人道危機により生命の安全を脅かされ、他国に逃れなければならなかった人々です。
また、避難を強いられている難民の41%は18歳未満の子どもです。
2022年もたくさんの皆様にご支援を賜りながらも、増え続ける難民・国内避難民、そして受け入れ側への援助に必要な予算が不足しており、援助へのニーズの高まりに対して、現在も予算が十分に確保されていません。紛争や迫害によって故郷を追われる人々がいる限り、いつ、どこであっても、命を守り、尊厳と希望を取り戻すため、UNHCRは活動を続けます。避難生活が十数年以上に及ぶこともある中、皆様からの安定したご支援・ご寄付があることで、UNHCRは支援計画の展望を描くことができます。
世界の難民をご支援いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
あなたのご支援でできること
※1ドル=144円換算、1年続けた場合
手で簡単に持ち運びできる飲料水用バケツ42家族分
雨風からシェルターを守る防水用のビニールシート21家族分
避難中でも家族と温かい食事がとれる、調理器具セット16家族分
- 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
- ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
- Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております。
*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。