2024-2025 UNHCRの活動のご報告
あなたのご支援が、世界の難民を支えています
公開日 : 2025-12-30
ミャンマー地震
2025年3月28日、ミャンマー中部でマグニチュード7.7の大地震が発生し、3000人以上が亡くなり5万5000棟以上の家が損傷/破壊され、壊滅的な被害となりました。最も深刻な被害を受けた地域には、国内避難民の約半数・1720万人(推定)が暮らしており、すでに過酷な避難生活を強いられている人々にさらなる打撃となりました。
現場にとどまり、最も弱い立場の人々を最優先に
UNHCRは直ちにヤンゴンからトラックで約5万人分の救援物資を被災地へ送り、その後チャーター機で1万6000人分の物資や家族用テントを供給しました。計4回の航空便と3回の船便により、就寝用マット、毛布、調理器具セット、蚊帳、ソーラーランタン等の物資を輸送し、女性や子どもの保護、清潔な水の供給、衛生施設の設置、心のケアなど様々な支援を提供してきました。このように、UNHCRが緊急事態への備えを常に万全にし、迅速に対応するために、皆様の毎月のご寄付が重要な支えとなっています。
「ご支援に心から感謝しています」
ドウ・チョーさん
「私たちは皆さんのご支援に心から感謝しています。私たちは本当に助けが必要だからです。私たちには何もありません。寝る場所もなく、僧院で暮らしています。だからこうして汗まみれで援助物資を受け取りにきたのです。皆さんが健康で、危険な目に遭うことがありませんように。」
ウクライナ
戦争中も地下で安全な授業を
北東部のハルキウ州では、空爆で学校の約半数が壊され、多くの子どもたちがオンライン学習を続けています。彼らにとって、教室は単に学ぶだけではなく、「日常」を保つために大切な場所です。UNHCRは、子どもたちが安全な環境で授業を受けられるよう、地下にある施設を教室へ改修する支援を進めています。
3年以上対面授業を受けていないグリブくんは言います。「ずっと会えなかったので、友だちに会えるのがうれしいです。先生が質問したら、手を挙げて答えることもできます。」ハルキウ州では6つの教室の改修工事が進行中で、約2500人の子どもたちを受け入れ予定です。
中央アフリカ共和国
避難先でパン屋をオープン
スーダンでパン屋を営んでいたアダムさんは、なじみ客のウィファックさんと結婚。しかし、その後紛争が勃発し家は空爆で破壊されました。アダムさんと出産間近のウィファックさんは険しい道を車で逃れ、4日間の過酷な旅の末に中央アフリカ共和国へたどり着きました。最初は混雑した共同シェルターで暮らしましたが、その後UNHCRからシェルターやマットレス、毛布、調理器具、ソーラーランプなどを受け取ることができました。
アダムさんは再びパン屋を始め、伝統的なスーダンのパンを難民や地域の人々に提供しています。今や二人の家は人々が集まる憩いの場所で、地域の絆を育む場にもなっています。
シリア
「今、私は自分の足で立っています」
紛争前は、家族と農場で平和な生活を送っていたイマンさん(43歳)。2012年、夫は検問所で逮捕されて獄中で亡くなり、息子の一人も戦闘で殺されました。彼女は子どもたちを連れてダマスカス近郊へ避難。衣料品店で働き、なんとか暮らしてきました。そして故郷へ戻ると、家は破壊され瓦礫の山になっていたのです。そこでイマンさんはUNHCRの生計支援プログラムに応募。支援決定の電話を受けた時、彼女は喜びのあまり泣き崩れました。
「私は何年も、自分の店を持つことを夢見ていたのです。」念願が叶い、衣料品店をオープンしたイマンさん。「今、私は自分で家族を養い、自分の足で立っています。私は夫と息子、家を失いましたが、希望は失いませんでした。私がいただいた機会を、他の人にも提供してほしいです。」
最前線から日本の皆様へのメッセージ
「日本の皆様、ご支援をありがとうございます」
UNHCRミャンマー事務所 代表 高木典子
日頃より、UNHCRの活動に温かいご支援を誠にありがとうございます。
ミャンマーでは紛争や迫害等のため、約350万人が国内で避難を強いられています。紛争による人道危機に加え、度重なる自然災害で人々の苦境はさらに悪化しています。2025年3月には大地震が発生し、壊滅的な被害を受けました。日本の皆様には地震発生直後から多くのご支援をいただき、深く御礼申し上げます。
この一年、私はミャンマー各地で紛争や震災で避難を余儀なくされた方々や無国籍の方々とお会いする機会がありました。彼らの回復する力、そして尊厳を失わず困難に立ち向かう姿勢に感銘を受け、謙虚な気持ちになりました。震災から2か月後にサガインの仮設テントで出会った夫婦は、もともと紛争により避難していたところ、地震でさらに被害を受けていました。彼らは自分たちの安全より、高校を卒業した娘が大学に進学できるのか心配していました。紛争からの避難時に身分証や学校の成績表などを持ってきていましたが、避難先で被災し、そうした重要な書類を失ってしまったのです。UNHCRは、こうした人々が身分証の再発行などを受けられるよう、法的な支援も行っています。
2026年、UNHCRはミャンマーで引き続き、紛争・災害で困難に直面する家族の基本的ニーズを満たす支援や、地域レベルでの人権保護、人々が困難を乗りこえるためのサポートに力を入れる計画です。紛争が続く中での活動は時に困難を極めますが、UNHCRは今後も現場にとどまり、人々へ支援を届け続けます。どうぞ今後もお力をお貸しいただき、ミャンマーをはじめ世界で家を追われ苦しむ人々を、UNHCRと共に支えていただきますよう、心よりお願い申し上げます。
世界各地のストーリー
ハンガリー
耳が聞こえず、話せないムラットくんと家族を支える現金給付
ウクライナ西部の村で生まれたムラットくん(4歳)は、 1歳半の時に髄膜炎を患い、耳が聞こえず話すこともできません。
2023年、ムラットくんと家族はハンガリーへ避難。8人家族で、一部屋しかないアパートで暮らしています。父のリチャードさん(27歳)は不定期に建設現場で働いていますが、生計を立てるのは困難です。
一家はこの9か月間、UNHCRが2023年夏に試験的に開始した、障がい者を対象とした現金給付を受けてきました。家族にとって欠かせない支援です。
医師は、今後の検査の結果次第ではムラットくんが手術の対象者となり、聴力が回復する可能性があると話します。母のラリサさん(25歳)はこの言葉に希望を託してきました。今後、経済的に行き詰まりウクライナへの帰国を強いられないことを願っています。
アフガニスタン
「私たちは、あきらめない」-女性と少女たちの自立支援
アフガニスタンでは、女子は初等教育までしか受けられず、女性は移動や就労にも制限を課され厳しい状況にあります。そうした中でUNHCRは、ヘラート州で女性と少女たちを対象にウェブデザインなどを学ぶ1年のプログラムを提供しており、278人が参加しています。修了後は、継続した雇用につながるようサポートしています。
また、UNHCRは各地で、より高度なIT技術のコースや英語を学ぶクラスなども提供しています。
ナディアさんはヘラート州の大学入試でトップの成績を収め、ヘラート大学に進めるはずでしたが、その道は閉ざされ2年間家にとどまっていました。そして今、彼女はウェブ開発コースで学んでいます。「進学が禁止されて教育を受ける希望を失い、私はとても悲しかったです。でもUNHCRが私の人生を変える機会をくれました。このコースは素晴らしい機会です。修了したら安定した仕事に就いて家族を支えたいです」と話します。
※写真の女性はナディアさん本人ではありません
ギリシャ
約10年の離ればなれの年月を越えて
ロヒンギャ難民のマフムードさんは2016年、ミャンマーでの迫害を逃れてギリシャへ渡り、難民認定を受けました。しかし、バングラデシュへ逃れた妻と二人の子どもとの再会は困難を極めました。国籍を持たないロヒンギャの人々は身分証明書がなく、家族を呼び寄せる手続きには多くの壁が立ちはだかりました。UNHCRはパートナーNGOや国際赤十字などと連携して支援し、ついに一家は約10年ぶりにアテネ国際空港で再会を果たしました。どんな時もあきらめなかったマフムードさんは言います。「今日まで私にも子どもたちにも未来がありませんでした。ようやく家族として未来を始めることができます。」
南スーダン
「女性たちの自立支援へつながるイヤリング」
南スーダン・ジュバで暮らす、国内避難民のジャッキーさんがつけているのは、自身で製作したイヤリングです。ビーズ細工は南スーダンの伝統的な手工芸で、UNHCRは、グローバルブランド「MADE51」を通して、こうした難民や国内避難民が手掛けた作品を世界へ向けて販売し、自立生計支援につなげています。ジャッキーさんはもう8年間、このプロジェクトに参加しています。
こうしたビーズ細工の製作により、女性たちの収入は大きく向上しています。同じく参加者のアショルさんは、「多くの女性たちに勧めたいです。これは素晴らしい仕事であるだけでなく、癒しのプロセスでもあります」と話します。プロジェクトでは、文字の読み書きや計算などの識字教育も提供し、避難生活を送る女性たちの希望となっています。
- https://shop.made51.org/collections/shop-all MADE51のオンラインショップ(英語)
ケニア
「私たちが地域の医療を支えたい」
左からチョルさん、エヴァさん、メアリーさん、ドクさんの4人はみな難民で、ケニア・トゥルカナ郡にあるケニア・メディカル・トレーニングカレッジの奨学生です。UNHCRの支援を受け、看護師やヘルスケアの専門家になるために学んでいます。
メアリーさん(21歳・写真右から2番目)は南スーダン難民で、将来母国へ帰り、地域の医療に貢献したいと考えています。「私は子どもの頃から人を助けることが好きでした。私の住む地域には病気の人や苦しんでいる人が多くいたので、この道へ進もうと思いました。このコースでの勉強は、将来母国へ戻り人々を助けるためにとても良い準備になります。」
UNHCRはカレッジの図書館や研究室、講義棟などのインフラも整備し、ヘルスケアに携わる人材が大幅に不足しているこの地域で、将来を担う若者たちの育成に貢献しています。
Thank You
難民を共に支えてくださり、ありがとうございます



援助物資を受け取った人
保護アセスメント(被害の調査やニーズの把握)を受けた人
シェルター支援を受けた人